私は…ないかな

制作者にとっての「私」について考えました。

20代を振り返る

先日、京セラ美術館で開催されている「禅とジブリ」を観に行きました。

展示されているパネルの中に「自分を何度でも脱ぎ捨てる」と書かれたものがありました。

ふと昔の自分を思い出しました。

自分ならこうしたい

20代。

私は若くして雑誌の編集・ライティングを行うフリーランスになりました。

記事を作っていても、「自分ならこうしたい」と思うことが多く、常にオリジナリティを求めていたように思います。

今の私が昔の私と一緒に仕事をしていたら、私はできるだけ近づかないようにしたでしょう。

自分なくしの日々

20代半ば、「自分ならこうしたい」という執着を持っているから苦しくなるんだろうと感じました。

これは仕事に限ったことではありません。

「自分が自分が」というが、大して何もできないのに何をいっているのだろ…という葛藤や恥ずかしさがあったのです。

そして、そのあたりから、徹底的に「自分が」「自分なら」「自分の」といった思いや考えをこわしていくことにしたのです。

こわしてこわして、それでも残るものが「オリジナリティ」と呼ばれるものなんだろうと思っていたいました。

当時好きだった影山民夫という放送作家の『人生はスクラップ&ビルド』というエッセイも繰り返し読んでいました。

お客様の立場に立つ

結果、どうなったかというと、制作をする上で、「自分がこうしたい」ということが減りました。

お客様の立場に立つ。お客様の視点を持つということが当たり前になりました。

特に、ホームページや印刷物などの制作では、「自分が」は出てこなくなりました。

私のこだわりはない…かな

さて、あれから30年。

どうなったかというと…

お客様や仕事のパートナーが「Aがいい」とおっしゃるときに「いえ。Bですよ」とお話することはあります。

が、そこに私はいません。

あらゆる条件のもと、情報を含んだすべてを俯瞰し、着地点を探し、制作を行う。

これらを繰り返した経験から、先が見えるときは、「違う」と判断しています。

でも、本当は、「答え」はありません。

私が「Bですよ」と言い、お客様が「いや、Aで」とおっしゃったことで、実はうまくいっていることがあるかもしれないのです。

では今、私にはどんな「私」が残っているか。

実は私にもわかっていません。笑

わかりませんが、アイデアはあります。

ノボル アヤ
Director / Editor / Writer

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