私はお客様とお話をするとき、基本的に難しい言葉は使いません。このホームページでも繰り返しお伝えしています。
昔、リクルートの情報誌の編集者をしていた頃、『経済用語辞典』といった特集記事で、「コアコンピタンス」「ダウンサイジング」「エンパワーメント」など、当時流行っていた経営用語をまとめたことがあります。
でも、それらの言葉は、シンクタンクやコンサルなどの専門家から聞くことはあっても、中小企業を取材する中で、経営者の口から聞くことはほとんどありませんでした。
誰のためにある言葉なんだろう。
そんな素朴な疑問がありました。
例えば最近では、DXという言葉が広く知られるようになりました。
ところが、大同生命が2026年1月に行った中小企業経営者向けの調査では、「名称・内容ともに知っている」と答えた企業は38%でした。
つまり、名前は聞いたことがあっても、内容まではよくわからない人が相当数いるということです。
そんな相手に、
「これからはDXです」
「DXを推進しましょう」
と話して、本当に伝わっているのでしょうか。
ホームページ制作やWebマーケティングの世界にも、私自身、よくわからない言葉が無数にあります。
同じ業界の人と話すために、やむなく調べることもありますが、「小学生でもわかるように話して」「日本語にして」と感じることが多々あります。
しかも難解な言葉を読み解いてみると、実はそれほど難しいことを言っていない場合があります。
例えば、こんな言い方です。
「CVを最大化するために、CTAの配置とUXを改善する」
↓ 普通に言えば
「問い合わせしやすいように、ボタンの位置やサイトの使いやすさを直す」
それなら最初から、下の言い方でいいのではないでしょうか。
そのほうが、ずっと多くの人と普通に話ができます。
ホームページを作ったことがある方なら、制作の打ち合わせや、進行中のメール、チャットを見ながら、こんなふうに思ったことはないでしょうか。
「よくわからないけど……まあ、いいか」
難しい言葉を使うことで、お客様の理解が深まるどころか、お客様が会話から下りてしまっている可能性があります。
人は、相互に理解するためにコミュニケーションをとります。
ところが、相手が「よくわからないから、もう任せよう」となってしまえば、その目的自体が失われます。
ホームページ制作は、制作会社だけでつくるものではありません。
だからこそ、同じ言葉で話せることは、とても大事だと思っています。
そうはいっても、私自身も「ラフ」「ワイヤー」などという言葉が、ついパッと出てしまうことがあります。
そんなときは、遠慮なく突っ込んでほしいのです。
「なんのこと?」
と。

Miura
Director / Editor / Writer
誰が誰に何をしたいかを前提に
感じ、考え、作る
Web制作や編集、SEOなど、「伝える」ために必要なことを、企画から制作まで行っています。
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