ブランドマーク

ライブハウスに現れた歯科医師

咬合専門医であるスギモト歯科医院の
ブランドマークについてのご紹介。

差し歯が飛ばないように

15年ほど前のことです。

私は、歯科医院で担当してくれた歯科医師に「もうすぐライブをするので歌うときに差し歯が飛ばないようにしてほしい」と言いました。

「どんな音楽なんですか?」と聞いてくださったので、私はフライヤーをお渡ししました。

そして、クリスマスイブ。
ライブハウスにその歯科医師が現れました。
ほかの歯科医師や歯科衛生士さんも一緒でした。

ライブが終わり、次回の治療に行った際、歯科医師からこんな言葉が出ました。

「ライブ、よかったです。僕にはないものを持っていると感じました。だから何か楽しいことをしてほしいんです。ちなみに僕は集客に興味はありません。そもそも規格外ですから」

それが、白衣ならぬ黒衣を着た、スギモト歯科医院の院長、杉元敬弘さんでした。

目的も手段もない仕事

困り果てました。
私は、基本、目的があって手段を考える仕事しかしていなかったからです。

とりあえず医院へ出向き、とりとめのない会話を重ねました。

「しいていえば先生は何がお好きなんですか?」
「とにかく恐竜が好きです」
「恐竜ですか…。だったら歯科医院のブランドマークは恐竜にしましょうか」
「え!それいいですね。だいたい、歯科医院ってウサギとかを使うでしょ。でも、僕、そんなのいらないんです」
「なぜですか?」
「僕は何があっても患者さんに安心してもらえる治療ができますから」

「出た。これだ」。

また、こんな会話もありました。

「僕はウルトラマンQのオープニングが好きなんですよ」
「それはまたなぜですか?」
「あれ、容器の液体に絵の具を入れて実際にかき回して逆再生した絵でしょ」
「で?」
「僕はあのアナログ感が好きなんです」

「アナログか。ここ重要」。

そんな感じで杉元敬弘先生と話すたびに、「面白い人だなあ」という印象が深まりました。

そして決めました。

この人自体のブランディングをしよう、と。

恐竜のシンボルマーク

とはいっても、何からはじめればいいのかわかりません。

そこで、私は当時いつもそばにいてくれたイラストレーターに「アナログな手法で恐竜を作ってみたいんだけど、切り絵ってどう思う?」と話しました。

彼女は「やるで!」と言い、毎日のようにうちに来ては、もくもくとハサミを動かし、恐竜をいくつもつくりました。

私はそれらの中から良いと思うものを選んで、おそるおそる先生へ送りました。

すぐに電話がかかってきました。

「すごくいいじゃないですか!」
「よかった…」
肩の力が抜けました。
「しかも恐竜ではないというところがいいんです。実際の恐竜はこんなカタチではないんですよ」

私もイラストレーターも、正直、恐竜に興味を持ったことはなく、図鑑などを見て、こういう形か…などと言いながら作っていました。

まさか褒めてもらうことになるとは思っていなかったので、驚きました。

そして、その恐竜を活用し、まずは院内新聞を作ることにしたのです。

ちなみに、その後、恐竜は二代目も生まれました。

→続く…

Miura
Director / Editor / Writer

誰が誰に何をしたいかを前提に

感じ、考え、作る

Web制作や編集、SEOなど、「伝える」ために必要なことを、企画から制作まで行っています。

WORKS一覧へ