院内新聞

歯科医師に焦点をあてた院内新聞

スギモト歯科医院様のブランディング。
ブランドマークとなる恐竜を制作した後の話です。

規格外の医師

恐竜を作った後、「先生自体をブランディングしよう」と決めた私は、スギモト歯科医院の院長、杉元敬弘さんのヒアリングを重ねました。

あるときは院内で焼酎を飲みながら。
あるときは、先生行きつけの料理店で。

そして、黒衣を着た歯科医師は、私の予想をはるかに超える思想と視点を持っておられると感じました。

私は情報誌の編集者をしていた頃、会長や経営者と呼ばれる方々を数多く取材してきました。

朗らかに話す人。
淡々と話す人。
ユーモアを交えて話す人。

いろいろな方にお会いしました。

けれど、杉元先生はそのどれとも違いました。

とにかく、熱意が尋常ではなかったのです。

本質を探究する人

杉元先生は、本質的ではないものを好まない方でした。
例えば、歯科医師の役割や、咬合(噛み合わせ)について、こんな話が出てきました。

  • 悪いところを修理するのが歯科医師ではない。悪くなる原因を診て、治療をしなければいけない。

  • 噛む・話すという機能に目を向けると、咬合(噛み合わせ)にたどり着く。

  • ところが、探せば探すほど咬合の「答え」が見つからない。

  • 国内外を回って答えを探し、最後は歯科技工士とともに、自分たちで咬合治療をつくり上げた。

私は幼少期から歯が悪く、さまざまな歯科医院にかかってきましたが、おそらく、ここまで考え、実際に行動する歯科医師はそう多くないだろうと感じました。

そして、おこがましい話ですが、私自身も、本質的ではないものを嫌う傾向がありました。

当時は、「検索されるキーワードをただ数多く入れる」といったホームページ制作が流行っていました。

が、私は、それによって「何が残るのか」「本当に利益に結び付くのか」「経営者や会社で働く人たちは元気になるのか」ということが気になっていました。

紙媒体に半分足を残しながら、ホームページも制作する。
もやもやとした時期だったのです。

だから、異業種とはいえ、先生の思想や哲学、そして答えがなければ自分で探しに行くといった行動力には、強く惹かれるものがありました。

コミュニケーション媒体

私は「人は人に興味を持つ」という自論がありました。

そのため、先生には院内新聞を制作し、患者様に配布されることをお勧めしました。

私が聞かせてもらっている先生のお話には、多くの人に知ってもらう価値がある。私のように畑違いの人間であっても、共鳴する人はきっといる。

そして何より、先生がどのような人で、どのような考えで治療をしているのかを知ったうえで、患者さまに治療を受けてほしいという思いがありました。

先生も、「患者さんには本当のことを知ってもらいたい」「診療時間だけでは伝えられないことを伝えたい」「患者さんからの質問には答えていきたい」と話され、院内新聞の発行にゴーサインを出されたのです。

院内新聞『FUNCTION』

一般的な院内新聞には、季節の挨拶・スタッフ紹介・ブラッシング指導・治療メニュー紹介・キャンペーンやイベントの告知などが入っています。

が、私がスギモト歯科医院で制作したかった新聞はまったく違うものでした。

咬合を探究する歯科医・杉元敬弘という人を、多角的に、ありのまま見せる。

キャッチコピーは「噛み合わせ機能を創造する杉元敬弘の院内新聞」。

新聞名は『FUNCTION』とネーミングしました。

構成は、

  • 先生自身が患者様に語りかける「患者さまへ」

  • 治療や歯科業界について語る「杉元の常識」

  • 幼少期から歯科医になるまでを追う「杉元の歴史」

  • 歯科医師や歯科技工士など、周囲の人から先生を見る「周囲の視線」

さらに、患者さまから寄せられた声や質問にも紙面上で答えていきました。

院内新聞の反響

この新聞は発行後、思いがけない反応がありました。

先生は「自分のことが書かれているのでゴミ箱に捨てられる」と感じられていたそうですが、『FUNCTION』をファイリングしてくださる患者様が現れ、次号を待ってくださる方も出てきました。

また、院内新聞をお渡しする際には新聞に対する感想や、医院に求めることを記入いただくアンケートも同時に配布をしたのですが、
「新聞で先生の人となりや考えがわかるので、安心して治療が受けられる」
という方も多く、約81%の患者さまが医院からの情報発信に興味を示されました。

院内新聞の意味

新聞は10号まで続き、途中から表紙を恐竜に変えるなどのリニューアルもしました。

先生が会いたい人と話す企画なども行いました。

結果として、先生自身からは「新聞で少しずつ自分が思っていることを伝え、文章にしていくことには意義がある。なんとなく感じてきたことにもまとまりが出てきた」という言葉をいただきました。

振り返り

細かな点で気になることはあるものの、この新聞の企画・構成は、我ながらよくできているなあと思っています。

多くの媒体に携わってきた編集者・ライターとしての経験が自然に活かされたように感じるのです。

ただ、私の仕事の方法論はいまだ変わっていないということにも気づかされます。

話す、本質を捉える、整理する、適したツールでアウトプットする。

人間はそんなに簡単に変わらないということでしょう…。

Miura
Director / Editor / Writer

誰が誰に何をしたいかを前提に

感じ、考え、作る

Web制作や編集、SEOなど、「伝える」ために必要なことを、企画から制作まで行っています。

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